経済

ジョセフ・ヒース『資本主義にとって倫理とは何か(Ethics for Capitalists)』勝手に紹介文

この度、ジョセフ・ヒースの著書"Ethics for Capitalists"の邦訳が『資本主義にとって倫理とは何か』というタイトルで出ることになったらしい。 ジョセフ・ヒース『資本主義にとって倫理とは何か』 資本主義にとって倫理とは何か 作者:ジョセフ・ヒース 慶應…

Abundance運動の3つの源流:YIMBY、進歩研究、ステート・キャパシティ・リバタリアニズム(マイア・ミンデルのAbundance論)

アメリカの左派の間でAbundance(アバンダンス、豊かさ)を巡る議論が盛り上がっているのをご存知だろうか。2025年3月にエズラ・クライン(Ezra Klein)とデレク・トンプソン(Derek Thompson)が“Abundance”という著書を刊行したことをきっかけに、アメリカ…

企業は「2階」の社会的責任を負う(ウィリアム・ボーモル「企業の責任と経済活動」メモ)

今回紹介するのは、ウィリアム・ボーモル(William Baumol)の論文、"Business Responsibility and Economic Behavior"である。この論文の初出はManaging the Socially Responsible Corporationという本だそうだが、筆者が読んだのはAltruism, Morality, and…

経済学とビジネス倫理の対立と協力(ジョセフ・ヒース論文「経済学によるビジネス倫理への貢献」メモ)

今回紹介するのはジョセフ・ヒースの論文、「The Contribution of Economics to Business Ethics」である。 一応ビジネス倫理の論文だが、狭義のビジネス倫理学者はほとんど出てこない。どちらかというと、経済学がいかにしてビジネス倫理を受け入れるように…

ビジネス倫理の厚生経済学的基礎(ケネス・アロー「社会的責任と経済的効率性」メモ)

本記事では、Kenneth Arrow, 1973, "Social Responsibility and Economic Efficiency"という記事を紹介する。本記事作成にあたってはネットに落ちてたこのPDFを使わせてもらった(画素が粗くて読みにくかった…)。ケネス・アローは言わずと知れた20世紀最大…

『資本主義が嫌いな人のための経済学』の誤謬?

『資本主義が嫌いな人のための経済学』の誤謬(「『反逆の神話』の誤謬」補遺) - ラビットホール note.com という記事についてコメントする。この記事は、『資本主義が嫌いな人のための経済学』の内容を引用しながら、何が間違っているかを指摘している。本…

『どうしてわれわれはなんでもかんでも 「新自由主義」 のせいにしてしまうのか?』@阿佐ヶ谷ロフト

荒木優太、矢野利裕、稲葉振一郎"どうしてわれわれはなんでもかんでも「新自由主義」のせいにしてしまうのか?" www.loft-prj.co.jp というイベントに行ってみた。以下、イベント内での発言(を筆者がざっくりまとめたもの)にコメントをつけていくという形で…

「新自由主義批判」の何が問題とされてきたのか

弊ブログではこれまで、「新自由主義(ネオリベラリズム)批判」を批判する記事をいくつか挙げてきた。そんなことをしていると、「新自由主義批判」は雑だと批判するお前の議論の方が雑じゃねーか、という批判ももらったりする。確かに「新自由主義批判」批判…

左派の望む社会は経済成長に支えられている(ベンジャミン・フリードマン『経済成長とモラル』読書メモ)

ブログ更新も滞っているので、ちょっとした読書メモを。手元に本がなく、個人的にとった読書メモを頼りに書いているので、間違いや引用の誤字などあったらごめんなさい。 さて今回は、ベンジャミン・フリードマン『経済成長とモラル』東洋経済新報社を紹介す…