今回紹介するのはBo Rothstein "Creating Political Legitimacy: Electoral Democracy Versus Quality of Government"という論文。前回の記事では「政府の質」の定義について紹介したので、今回は、なぜその「政府の質」というのが重要なのか、を分かりやす…
今回紹介するのはBo rothstein & Jan Teorell “What Is Quality of Government? A Theory of Impartial Government Institutions”という論文。著者の1人、ボー・ロススタインは、「政府の質(quality of government)」研究の第一人者であり世界的に影響力…
ヒースにインタビューしたよ! Forbes Japan「2026年総予測 新時代がわかる100の問い」2026年2月号 ForbesJAPAN 「2026年総予測 新時代がわかる100の問い」2026年2月号 作者:linkties Forbes JAPAN編集部 プレジデント社 Amazon
この度、ジョセフ・ヒースの著書"Ethics for Capitalists"の邦訳が『資本主義にとって倫理とは何か』というタイトルで出ることになったらしい。 ジョセフ・ヒース『資本主義にとって倫理とは何か』 資本主義にとって倫理とは何か 作者:ジョセフ・ヒース 慶應…
今回紹介するのは、フランシス・フクヤマの著書、『政治の起源』と『政治の衰退』である。フランシス・フクヤマというと、「歴史の終わり」でその名前を知っている人がほとんどだと思うが、「冷戦終了間際にリベラル・デモクラシーは完全勝利したとかのたま…
ジェラルド・ガウス(Gerald Gaus)は政治哲学の分野においては非常に著名な研究者で、論文も本もいっぱい出している(筆者は社会契約論との関連でガウスを知った)。ガウスは惜しくも2020年にこの世を去ったのだが、その際にPhilosophy, Politics, Economic…
今回の参院選、そして特に参政党の躍進を巡って、日本のメディアやブログ、SNSでは様々な論評が既に溢れている。では、海外出身の日本ウォッチャーたち*1は今回の参院選についてどんな論評を行っているのだろうか。本稿では、3人の日本ウォッチャー、ノア・…
アメリカの左派の間でAbundance(アバンダンス、豊かさ)を巡る議論が盛り上がっているのをご存知だろうか。2025年3月にエズラ・クライン(Ezra Klein)とデレク・トンプソン(Derek Thompson)が“Abundance”という著書を刊行したことをきっかけに、アメリカ…
今回紹介するのはJoseph Heath & Benoit Hardy-Vallée "Why do people behave immorally when drunk?"という2015年の論文。タイトルは「人はなぜ酔うと不道徳な行動をとるのか」というものだが、内容としては、道徳心理学(モラル・サイコロジー)の分野にお…
今回紹介するのは、Lisa Herzog & Bernardo Zacka "Fieldwork in Political Theory: Five Arguments for an Ethnographic Sensibility"という論文。著者のリサ・ヘルツォークとベルナルド・ザッカは、政治哲学者・政治理論家*1でありながら、自身でフィール…
今回紹介するのは、ベルナルド・ザッカ(Bernardo Zacka)という政治哲学者へのインタビュー。 Puff, Helmut and Zacka, Bernardo. 2022. "The architectures of waiting: Helmut Puff and Bernardo Zacka in conversation." インタビューの大部分は、ザッカ…
今回紹介するのは、ウィリアム・ボーモル(William Baumol)の論文、"Business Responsibility and Economic Behavior"である。この論文の初出はManaging the Socially Responsible Corporationという本だそうだが、筆者が読んだのはAltruism, Morality, and…
今回紹介するのはジョセフ・ヒースの論文、「The Contribution of Economics to Business Ethics」である。 一応ビジネス倫理の論文だが、狭義のビジネス倫理学者はほとんど出てこない。どちらかというと、経済学がいかにしてビジネス倫理を受け入れるように…
本記事では、Kenneth Arrow, 1973, "Social Responsibility and Economic Efficiency"という記事を紹介する。本記事作成にあたってはネットに落ちてたこのPDFを使わせてもらった(画素が粗くて読みにくかった…)。ケネス・アローは言わずと知れた20世紀最大…
この記事の続き。決定的なネタバレが目白押しなので、読んでない人は今すぐブラウザを閉じるべし。 kozakashiku.hatenablog.com kozakashiku.hatenablog.com
この記事の続き。 kozakashiku.hatenablog.com
「ハリー・ポッターと合理主義の方法(Harry Potter and the Methods of Rationality)」というのは、エリーザー・ユドコウスキー *1による世界的に有名なハリポタ二次創作小説である。ありがたいことに有志の方による翻訳があり、非常に読みやすい訳文で楽…
規範倫理学の一分野に、現代社会契約論という領域がある。これは、最も広く定義するなら、ホッブズら近世の社会契約論者にインスピレーションを得た議論の集合ということになるが、功利主義や義務論、徳倫理と比べると明らかに知名度が低く、教科書でもさら…
大学授業一歩前(第157講) - 大学授業一歩前 note.com 大学授業一歩前というnoteに文章を寄せさせていただきました。運営者の方が弊ブログを見てくださったようで、お声がけいただいた形です。ブログを続けているとこんなこともあるんですね。よければご一読…
『資本主義が嫌いな人のための経済学』の誤謬(「『反逆の神話』の誤謬」補遺) - ラビットホール note.com という記事についてコメントする。この記事は、『資本主義が嫌いな人のための経済学』の内容を引用しながら、何が間違っているかを指摘している。本…
本記事では、ジョセフ・ヒースとジョエル・アンダーソンによる共著論文「先延ばしと拡張された意志」(Joseph Heath & Joel Anderson, 2010, "Procrastination and the Extended Will")を紹介する。 この論文は『時間泥棒:先延ばしについての哲学的論文集』…
(最終更新:2025/12/8) オックスフォード大学出版会のVery Short Introductionという有名な入門書シリーズがある。短くて内容も平易なので、まずはこの1冊という感じで推薦されることも多いシリーズだ。 さて、このシリーズは当然ながら邦訳もたくさん出て…
荒木優太、矢野利裕、稲葉振一郎"どうしてわれわれはなんでもかんでも「新自由主義」のせいにしてしまうのか?" www.loft-prj.co.jp というイベントに行ってみた。以下、イベント内での発言(を筆者がざっくりまとめたもの)にコメントをつけていくという形で…
弊ブログではこれまで、「新自由主義(ネオリベラリズム)批判」を批判する記事をいくつか挙げてきた。そんなことをしていると、「新自由主義批判」は雑だと批判するお前の議論の方が雑じゃねーか、という批判ももらったりする。確かに「新自由主義批判」批判…
今回紹介するのはこちら。 中尾央『人間進化の科学哲学 行動・心・文化』名古屋大学出版会 人間進化の科学哲学―行動・心・文化― 作者:中尾 央 名古屋大学出版会 Amazon
今回紹介するのはこちら。 ウェンディ・ブラウン『いかにして民主主義は失われていくのか 新自由主義の見えざる攻撃』 いかにして民主主義は失われていくのか――新自由主義の見えざる攻撃 作者:ウェンディ・ブラウン みすず書房 Amazon
今回紹介するのは、ジョセフ・ヒースの論文「When does Critical Theory Become Conspiracy Theory?」である。この論文でヒースは、「新自由主義」概念をルーズに用いた議論などを念頭に置きながら、批判理論が陰謀論に堕してしまう条件、さらにまっとうな批…
ジョセフ・ヒースが Grimen-lecture 2022: Joseph Heath, University of Tronto: Anodyne Privatizations www.oslomet.no という講演をやるらしい。会場はオスロ・メトロポリタン大学というノルウェーに新しくできた大学で、zoomとかもないっぽいので聞くこ…
先日、「リベラリズムとは何か?」という講演を聞いた。内容を詳細に書くのはダメだと思うので、ごく手短に概要をまとめてみたい。 第13回ワークショップ:「リベラリズムとは何か?:What is Liberalism?」 - 社会科学のメソドロジー web.iss.u-tokyo.ac.jp
ブログ更新も滞っているので、ちょっとした読書メモを。手元に本がなく、個人的にとった読書メモを頼りに書いているので、間違いや引用の誤字などあったらごめんなさい。 さて今回は、ベンジャミン・フリードマン『経済成長とモラル』東洋経済新報社を紹介す…