シントピコン索引をちょっとだけ和訳してみた

 「シントピコン索引」をご存じだろうか。知らない人は

シントピカル・リーディングについてみんなが誤解したままな理由:アドラー『本を読む本』 読書猿Classic: between / beyond readers

 に、簡潔にして胸躍るような説明があるので、読んでみてほしい。筆者はこの読書猿氏の紹介によって知ったが、アドラー『本を読む本』を読んで本記事にたどり着いた人も多いと思う。

 Great books of the Western Worldについて興味のある方は、とりあえずこちらを。

ブリタニカ・ジャパン|Great Books of the Western World

 

 ちょうど通学圏の図書館にGreat books of the Western Worldがフルセットで揃っていたこともあり、高校の部誌製作にかこつけて、シントピコン索引をほんの少しだけ和訳してみたことがある。この度読書猿氏が「独学大全」を刊行したということで、本文中にもシントピコン索引への言及があることだし(「独学大全」p236)、この機会に発表してみるか、と思い立った。なお、ブリタニカ・ジャパン様には、出典を明記すれば公開してよいとの許可を頂いたことを記しておく(ありがとうございます)。

 この記事では、シントピコンの説明と、その一部和訳を載せておくが、具体的な和訳の作業工程や、作業中に気づいた「本気で和訳するならこんな問題あるよね」というポイントは、こちらの記事で。これに触発されて和訳を始める有志が出てくるようなことがあれば、それは望外の喜びである。

 現在シントピコンの各章の「トピックの見取り図」=Outline of Topics(後述)の和訳を進めているので、そちらについてはしばしのご辛抱を。→一応完成しました。シントピコンの「トピックの見取り図」を和訳してみた(その0) - 清く正しく小賢しく

 

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 なお和訳の原文や版面の出典は、以下の形で表記する。

「Great Books of the Western World 1 The Syntopiocn:Ⅰ」Second Edition,  Encyclopædia Britannica, Inc. → 「Great Books1」

「Great Books of the Western World 2 The Syntopicon:Ⅱ」Second Edition, Encyclopædia Britannica, Inc. → 「Great Books2」

 

シントピコンの構造と使い方

 上にリンクを貼った読書猿氏の記事を読めばだいたいのことは分かるのだが、ここでもう少し詳しくシントピコンについて説明しておこう(シントピコンの序文などもあわせて参照)。いろいろゴチャゴチャ書いてるけど、図や版面の画像をざっと見てくれればだいたい理解できる。

 まずGreat Books of the Western Worldというのは、全60冊からなる西洋世界の古典・名著集である。収録作品についてはこちらを参照してほしいが、ざっくり言うとホメロスからレヴィ=ストロースベケットまで載っている。

 そのGreat Booksの第1,2巻を占めるのがシントピコンである。シントピコンは、102のアイデア=大項目の章(Chapter)、「追加文献総合リスト」(Bibliography of Additional Readings)、「用語目録」(Inventory of Terms)、から構成されている。より細かく言うと、1巻に収録されているのは、序文(Introduction)と、1(「天使」Angel)~50(「愛」Love)までのアイデア=大項目の章で、2巻に収録されているのは、51(「人」Men)~102(「世界」World)までのアイデア=大項目の章と、「追加文献総合リスト」、「用語目録」である。

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画像はイメージです

 102個の各アイデア=大項目の章の中身について、詳しく見てみよう。

・導入エッセイ

 最初に、そのアイデア=大項目についての「導入エッセイ」(Introduction)が入る。これは、そのアイデア=大項目の定義や概要、指し示す範囲(スコープ)について、10~20ページくらい解説している。

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「2動物」の導入エッセイ(Introduction) 「Great Books1」p16

・トピックの見取り図

 次にアイデア=大項目の内部構造を、階層的なリストの形で示した「トピックの見取り図」(Outline of Topics)が続く。これは要するに、あるアイデア=大項目の持つ多様な側面を体系的に提示したものである(図書分類法でいうファセットのようなものか)。「トピックの見取り図」は、たくさんのトピック=小項目から構成されている(トピック=小項目の集合体が「トピックの見取り図」であると言ってもよい)。

 トピックは、メイントピック、サブトピック、サブサブトピックから成っており、メイントピックの下にサブトピックが、サブトピックの下にサブサブトピックがぶら下がる形となっている。「2動物」を例にとると、[1動物の性質に関する一般理論]というメイントピックの下に、[1a動物の特徴:動物の魂]というサブトピックがぶら下がっており、更にそのサブトピックの下に、[(1)動物の感覚:その程度と区別]、[(2)動物の記憶力、想像力、知性]、(以下省略)、といったサブサブトピックがぶら下がっている。

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トピックの見取り図(Outline of Topics) 「Great Books1」p25 傍線と解説は筆者による

・シントピコン索引

 さて、その次にシントピコンの心臓部たる「シントピコン索引」(References)が登場する。これは、「トピックの見取り図」で示した各トピック=小項目について、そのトピック=小項目に言及している、Great Booksに収録された作品内の文章を、ページ番号で参照指示するものである。例えば「2動物」のメイントピック[1動物に性質に関する一般理論]にぶら下がっているサブトピック[1a動物の特徴:動物の魂]については、プラトンが6巻のp93, 476-477で、アリストテレスが7巻のp631-668、8巻のp7-9, 114-115, 169, 196, 235-239, 282で、(以下省略)、言及しているということが分かる。またそのサブトピック[1a動物の特徴:動物の魂]にぶら下がっているサブサブトピック[(1)動物の感覚:その程度と区別]については、プラトンが6巻のp453-454で、(中略)、プランクが56巻のp88-89で、言及していることが分かる。

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シントピコン索引(References) 「Great Books1」p27 傍線は筆者による

・相互参照

 「シントピコン索引」の後ろに位置するのが「相互参照」(Cross-References)で、例えば動物の繁殖(breeding)について特に興味を持った場合は、「進化」2b(3)、2d(1)、4cや、「家族」6bといったトピック=小項目も参照すべきだということが分かる。

・追加文献リスト

 各章の最後の部分にあたるのが、「追加文献リスト」(Additional Readings)である。ここには、Great Booksには収録されていないが、そのアイデア=大項目に関連する名著がずらずらと並べられている。

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相互参照(Cross-References)と追加文献リスト(Additional Readings) 「Great Books1」p35 傍線は筆者による

 

・追加文献総合リスト

 さて、この各章における「追加文献リスト」に並べられた作品を、アルファベット順にして一まとめにしたのが、「追加文献総合リスト」(Bibliography of Additional Readings)で、これは102のアイデア=大項目の章の後ろに置かれている。各章の「追加文献リスト」には書誌情報がついていないが、「追加文献総合リスト」においては、作品の正式なタイトル、発行者、発行年などの詳細な書誌情報が記載されている。

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追加文献総合リスト(Bibliography of Additional Readings) 「Great Books2」p909

・用語目録

 シントピコン全体の末尾にあたるのが「用語目録」(Inventory of Terms)である。ここには約2000個の用語がアルファベット順に並んでおり、各用語に関連するアイデア=大項目、トピック=小項目を参照指示している。よって、アイデア=大項目になっていない言葉、概念について調べたいときに非常に役に立つ。例えば「アプリオリとアポステリオリ」について調べたいときは、「用語目録」のAの欄をめくり、「a priori and a posteriori」の項を見ればよい。重要な参照指示はsee(「を見よ」)の後に並んでおり、スラッシュで区切られた後ろの、see also(「も見よ」、「をも見よ」)の後には副次的な参照指示が並んでいる。実際に見ると、「経験」2d、「形」1c、「判断」8c、…、などが重要な参照先であり、「法」4c、「論理」2、…、などが副次的な参照先であるということが分かる。また、アイデア=大項目になっている言葉も「用語」として登録されているので(例えばアイデア=大項目の一つである「天使」Angelも、「用語目録」の中に入っている)、そのアイデア=大項目と関連する(しかしそのアイデア=大項目の章で触れるほどではない)他のアイデア=大項目、トピック=小項目を探すのにも役立つ。

 勘違いする人もいるかもしれないで一言言っておくと、「用語目録」は、日本十進分類法(NDC)の相関索引や、基本件名標目表についている音順標目表のように、その索引の分類・区分けに精通していない読者をキーワードからワンステップで適切な場所に導くというものではない。キーワードに関連するアイデア=大項目、トピック=小項目を複数並べることで、そのキーワードについて多角的な視野からアプローチすることを可能にするものである。

 

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用語目録 「Great Books2」p999 囲み線は筆者による

 

 以上、訳語については手前勝手につけさせてもらった。英語との対応よりも、シントピコンについて無知な私たちが誤解しにくい訳語にすることを優先した。Introductionを「導入エッセイ」としたり、Referencesを「シントピコン索引」としたりしたのは、そのためである。同じ理由で、「アイデア=大項目」、「トピック=小項目」、「サブサブトピック」といった変な表記を採用している。

 

シントピコン索引一部和訳

 以下、何個か注意点を。

  • 和訳するトピック=小項目は完全に個人の趣味で選定した(が、結果的に「独学大全」とリンクするようなテーマが多く選ばれていると思う。というか読書猿ブログを読み漁っていた当時の自分が選んでいるのでそうなったのだけど)。
  • 各項目タイトルの和訳も、こちらで勝手に行った。各アイデア=大項目の導入エッセイ(Introduction)を読んでおらず、また英語力も貧弱なので、原文の主旨を十分にくみ取れていないかもしれない。
  • ケアレスミスが多発する作業なので、誤りがないと保証することはできない(人間のすることに必ずミスはつきまとう、というより強い意味で)。実際、記事にするにあたり見返してみると、ミスがいくつか見つかった。気づいた範囲で修正するなり補足するなり対応はしたが、全てを見直し修正したわけではない(その気力が湧かなかった…)。実際にこれを使ってみたいという方は、多少ミスはあるだろうという前提で使ってほしい。
  • この記事で詳しく書いているが、本和訳は機械的かつ大雑把な(すごい日本語だ)ものなので、ここで参照指示されているページの前後数ページも確認することをオススメする。
  • 各項目の末尾に※で、和訳作業を行えなかった著者を列記している。あるトピック=小項目において、その著者の参照指示全ての和訳作業が行えたわけではないという場合は、その著者名に「(一部)」と記してある。実際には一部どころか大部分が和訳できていない、ということもあるので注意(例えば「43知識」[4a知識と真実]において、※以下に「アクィナス(一部)」と表記されているが、実際にはこのトピック=小項目におけるアクィナスへの参照指示のほとんどが和訳できていない)*1
  • 「passim」が付されている参照指示には「(諸所に)」、「esp」が付されている参照指示には「(特に)」と表記しておいた。詳しくはこちらを参照。
  • 表記が煩雑になるという事情から、それぞれの本についての書誌情報は、下の「書誌情報」の項にまとめてある。

 

11 市民(Citizen)
 6 市民権のための教育(Education for citizenship):「Great Books1」p177-178

トゥキディデス→「戦史 上」p224-230
プラトン→「全集1」p118-150
     「全集8」p131-153
            「全集11」p150-247, 269
            「全集13」p54-170, 390-464, 466-481
アリストテレス→「全集13」(旧)p150-152, 349-357
        「全集15」(旧)p50-53, 99-104, 167-169, 308-314, p321-347
アウレリウス→「自省録」p11-23
ホッブズ→「リヴァイアサン1」p282-387
モンテーニュ→「エセ―1」p239-245
ベーコン→「学問の進歩」p90-93,295-302
ミルトン→「言論・出版の自由」p5-82
モンテスキュー→「法の精神 上」p48-67
スミス→「国富論 四」p38-60,p74-80
カント→「全集9」p586-587
ミル→「自由論」p206-217,217-221
ヘーゲル→「法の哲学2」p191-197
トクヴィル→「アメリカのデモクラシー第一巻(上)」p15-18, 64-74, 266-270
      「アメリカのデモクラシー第一巻(下)」p184-190, 238-243
      「アメリカのデモクラシー第二巻(下)」p70-74
オーウェル→「動物農場」p21-25,33-42
アリストファネスプルターク、ルソー

 

14 慣習やしきたり(Custom And Convention)
 7d 個人の自由に対する慣習の影響:規律の力(The influence of custom on the liberty of the individual: the force of discipline):「Great Books1」p220

トゥキディデス→「戦史 上」p224-227
モンテーニュ→「エセ―1」p184-183
モンテスキュー→「法の精神 上」p251-252
             「法の精神 中」p112-115, 124-126, 132-135
ミル→「自由論」p9-25, 113-150
ヘーゲル→「歴史哲学講義 下」p74-84
トクヴィル→「アメリカのデモクラシー第一巻(上)」p82-88, 95-98
             「アメリカのデモクラシー第一巻(下)」p151-161
             「アメリカのデモクラシー第二巻(下)」p348-349
トウェイン→「ハックルベリー・フィンの冒険 上」p16-24
フロイト→「全集14」p133-135
     「全集20」p92-162
デューイ→「経験と教育」p77-96
ジョイス→「若い芸術家の肖像」p126-128, 271-279, p369-387
ウルフ→「世界文学全集15」p190-207
ヘーゲル(一部)、ジョージ・エリオットモンテーニュ(一部)、ウェーバー、ショウ、キャザー

 

20 教育(Education)
 5c 学習の性質:そのいくつかの形態(The nature of learning: its several modes):「Great Books1」p308

プラトン→「全集1」p204-222
     「全集2」p153-163, 347-364
     「全集4」p170-192
     「全集5」p176-191
     「全集7」p123-132
     「全集11」p463-558
     「世界古典文学全集14」p247-250
アリストテレス→「全集12」(旧)p49-51, 303-307, 308-310
        「全集13」(旧)p216-219
        「全集2」(新)p281-288, 338-342, 517-523
        「全集4」(新)p356-362, 396-400
        「全集7」(新)p87-92, 272-276, 276-277
アウグスティヌス→「告白 上」p119-122
ホッブズ→「リヴァイアサン1」p39-46
モンテーニュ→「エセ―1」p257-264
       「エセー6」p279-296
ベーコン→「学問の進歩」p213-220
     「ノウム・オルガヌム」p59-66
デカルト→「著作集4」p17-31, 60-86, 61-66
モリエール→「全集1」p329-334
ロック→「人間知性論一」p49-55, 60-66, 128-131
カント→「全集4」p67-72
    「全集5」p27-33
    「全集6」p112-118
    「全集8」p200-204
ミル→「自由論」p70-93
ラボアジエ→「化学の始め」p vii-xi
ヘーゲル→「法の哲学1」p213-216
ニーチェ→「善悪の彼岸」p247-248
トウェイン→「ハックルベリー・フィンの冒険 上」p58-61
デューイ→「経験と教育」p16-41, 61-74, 98-102, 135-141
ウィトゲンシュタイン→「哲学探究」p7-46, 447-450
ウォディントン→「生命の本質」p152-155
ヴェブレン→「有閑階級の理論」p356-360
ウェーバー→「職業としての学問」p20-33
プルタークアウグスティヌス(一部)、ボズウェル、ジェームズ・ウィリアムズ

 

37 アイデア(Idea)
 2d アイデアの源泉としての反省:自分の行為や内面に対する熟慮(Reflection as a source of ideas: the mind’s consideration of its own acts or content):「Great Books1」p600

エピクテトス→「人生談義 上」p14-24, 67-79, 79-86
デカルト→「著作集2」p93-98
ロック→「人間知性論一」p154-158, 172-184
    「人間知性論二」p9-13, 36-43, 57-64, 104-112,116-120, 121-124, 124-132, 228-231, 243-246, 246-250,257-260, 268-275,288-291, 292-295
    「人間知性論四」p56-60
カント→「全集4」p70-75, 362-388
ヘーゲル→「法の哲学1」p352-368
ラッセル→「哲学入門」p58-64
アウグスティヌス、アクィナス、ヒューム、カント(一部)、ウィリアム・ジェームズ

 

43 知識(Knowledge)
 4a 知識と真実:知識、誤り、無知の差異(Knowledge and truth :the differentiation of knowledge, error, and ignorance):「Great Books」p693-694

プラトン→「全集1」p54-65
     「全集2」p354-371
     「全集3」p35-46
     「全集4」p24-30
     「全集12」p42-48
アリストテレス→「全集12」(旧)p123-130, 185-191, 201-206
        「全集16」(旧)p6-8
        「全集2」(新)p278-292, 390-405
        「全集3」(新)p358
ルクレティウス→「物の本質について」p176-182
エピクテトス→「人生談義 上」p26-37
アウグスティヌス→「告白 下」p13-22
アクィナス→「神学大全1」p7-28, 93-94
      「神学大全2」p225-272
ホッブズ→「リヴァイアサン1」p43-46, 58-60, 139-143
モンテーニュ→「エセ―2」p318-324
ベーコン→「ノウム・オルガヌム」p78-88
デカルト→「全集4」p11-20
     「全集1」p39-42
     「全集2」p72-74
スピノザ→「エチカ 上」p142-148
パスカル→「パンセ」p136-138
ロック→「全集4」p92-101, 329-333
カント→「全集6」p50-53
ヘーゲル→「法の哲学1」p377-392
フロイト→「全集15」p340-345
     「全集21」p222-225
アウグスティヌス(一部)、アクィナス(一部)、デカルト(一部)、ウィリアム・ジェームズ

 

43 知識(Knowledge)
 5a 知り得ること、知り得ないこと、まだ知らないこと:ある物事の可知性(The knowable, the unknowable, and the unknown: the knowability of certain objects):「Great Books1」p694

プラトン→「世界古典文学全集14」p247-250
                  「全集4」p18-35, 36-111, 136-141, 148-153
アリストテレス→「全集8」(旧)p280-281
        「全集12」(旧)p7-10, 194-201
エピクテトス→「人生談義 上」p67-79
アウグスティヌス→「神の国 三」p111-114
                      「神の国 五」p273-277
アクィナス→「神学大全2」p3-15, 104-121
ダンテ→「神曲 天国篇」p282-291
モンテーニュ→「エセ―2」p132-148
       「エセ―4」p283-295
シェイクスピア→「選集8」p150-160
ベーコン→「学問の進歩」p16-25
デカルト→「著作集4」p14-20,44-51
パスカル→「パンセ」p31-40
ロック→「人間知性論一」p159-162
    「人間知性論二」p54-57, 74-78
    「人間知性論四」p31-71, 193-197, 216-228, 284-292, 329-333
バークリ→「人知原理論」p21-24, 123-128
ヒューム→「人間知性研究」p7-15, 27-29
カント→「全集4」p15-25, 82-86
    「全集5」p37-43, 49-54
    「全集7」p95-100, 107-116, 139-141, 330-336
    「全集8」p22-26
    「全集9」p51-55, 161-163
ゲーテ→「ファウスト 二」p507-512
ボーア→「原子理論と自然記述」p113-115, 227-237
ハイゼンベルク→「現代物理学の思想」p21-37
プロティノス、アクィナス(一部)、ハーヴェイ、ウィリアム・ジェームズ、プランク、ヘンリー・ジェームズ

 

43 知識(Knowledge)
 8b(2) 行動の自主性の条件としての知識(Knowledge as a condition of voluntariness in conduct):「Great Books」p701-702

プラトン→「全集13」p303-310, 522-538
アリストテレス→「全集13」(旧)p66-72
アウレリウス→「自省録」p11-23, 144-189, 180-184
アクィナス→「神学大全2」p272
ホッブズ→「リヴァイアサン1」p65-68, 78-82
シェイクスピア→「選集8」p319-345
ロック→「人間知性論二」p128-132, 133-141, 210-218
カント→「全集11」p25-27
ヘーゲル→「法の哲学1」p304-311
プロティノス、アクィナス(一部)、ウィリアム・ジェームズ

 

45 言語(Language)
 1a 思考と行動における言語の役割(The role of language in thought and behavior):「Great Books1」p735

プラトン→「全集2」p222-227, 324-335, 385-390
     「全集3」p142-158
     「全集12」p26-31
アリストテレス→「全集16」(旧)p228-231
        「全集1」(新)p112-124, 102-116
アウグスティヌス→「告白 下」p93-101, 178-189, 191-198, 246-250
ホッブズ→「リヴァイアサン1」p34-57
パスカル→「パンセ」p152-156
ロック→「人間知性論一」p49-55.231-242
    「人間知性論二」p231-242
    「人間知性論三」p79-272
          「人間知性論四」p49-56, 88-91, 358-359
バークリ→「人知原理論」p46-52, 161-169
ルソー→「人間不平等起源論」p55-68
ラボアジエ→「化学のはじめ」p vii-ix, xii-xvii
ゲーテ→「ファウスト一」p147-152
ダーウィン→「人間の由来 下」p475-480
フロイト→「全集18」p12-18, 52-56
ウィトゲンシュタイン→「哲学探究」p7-46, 156-163, 203-220, 262-276, 417-439
ハイゼンベルク→「現代物理学の思想」p21-37
レヴィ=ストロース→「構造人類学」p75-77
※アクィナス、ホッブズ(一部)、スピノザ、ウィリアム・ジェームズ

 

81 レトリック(Rhetoric)
 1b レトリックと文法学、論理学、心理学の関係(The relation of rhetoric to grammar, logic, and psychology):「Great Books2」p521

プラトン→「全集5」p211-267
アリストテレス→「全集16」(旧)p201-245
ホッブズ→「リヴァイアサン1」p39-42, 92-96
モンテーニュ→「エセー 1」P289-303
ベーコン→「学問の進歩」P120-122
デカルト「著作集 1」P16-18
アウグスティヌス

 

101 知恵(Wisdom)
 1b 思弁的な知恵と実践的な知恵の区別、あるいは哲学的な知恵と政治的な知恵の区別(The distinction between speculative and practical wisdom, or between philosophical and political wisdom):「Great Books2」p882

プラトン→「全集4」p300-318
アリストテレス→「全集13」(旧)p192-200, 202-205
アウグスティヌス→「神の国 二」p155-158
アクィナス→「神学大全1」p37-47
ダンテ→「神曲天国篇」p194-211
ホッブズ→「リヴァイアサン1」p60-68, 163-170
ベーコン→「学問の進歩」p24-32, 64-72, 159-162
カント→「全集11」P235-237
※アクィナス(一部)、カルヴァンモンテーニュカール・バルト

 

101 知恵(Wisdom)
 4 愚か者への称賛:愚か者と無知な者の知恵(The praise of folly: the wisdom of fools and innocents):「Great Books2」p884

旧約聖書→「伝道の書」1章17-18節
聖書外典→「集会の書」19章24節
新約聖書→「マタイによる福音書」18章1-4節
     「マルコによる福音書」10章13-15節
     「コリント人への手紙」1章17節-2章16節、3章18-20節
ラブレー→「パンタグリュエル物語」p264-268
エラスムス→「痴愚神礼賛」p15-243(諸所に),p197-225(特に)
シェイクスピア→「全集 十二夜」p26, 49, 14
                             「全集 お気に召すまま」P64
                  「選集9」p7
             「ザ・シェイクスピア」p27
セルバンテス→「全集3」p415-420, 434-473
パスカル→「パンセ」p136-138
モリエール→「女房学校」全体
      「町人貴族」全体
      「全集9」p399-415
ボルテール →「カンディード」p263-265, 277-280, 378-382, 391-397, 446-449
カント→「全集7」p28-31
トウェイン→「ハックルベリー・フィンの冒険」p211-219
トルストイ→「戦争と平和 五」p395-399
ドストエフスキー→「全集12」p278-280
アウグスティヌス、アクィナス、チョーサー、ディドロディケンズ

 
書誌情報

  • 「改訂」「改訳」の場合は内容、訳文自体が大きく変わっており、また「改版」の場合でも微妙に文言が修正されたり、「まえがき」「あとがき」が挿入されていたりする可能性があるので、注意が必要である。特に記載がなければ初版を使用している。なお著者は五十音順で並べている。

アウグスティヌス
 「告白(上・下)」→「告白(上・下)」服部英次郎訳、岩波文庫
 「神の国(一~五)」→「神の国(一~五)」服部英次郎訳、岩波文庫

アウレリウス 
 「自省録」→「自省録」(改版)神谷美恵子訳、岩波文庫

アクィナス
 「神学大全1」→「神学大全Ⅰ」山田晶訳、中公クラシックス
 「神学大全2」→「神学大全Ⅱ」山田晶訳、中公クラシックス

アリストテレス
 「全集8」(旧)→「アリストテレス全集8 動物誌(下) 動物部分論」島崎三郎訳、岩波書店
 「全集12」(旧)→「アリストテレス全集12 形而上学」出隆訳、岩波書店
 「全集13」(旧)→「アリストテレス全集13 ニコマコス倫理学」加藤信朗訳、岩波書店
 「全集15」(旧)→「アリストテレス全集15 政治学 経済学」山本光雄他訳、岩波書店
 「全集16」(旧)→「アリストテレス全集16 弁論術 アレクサンドロスに贈る弁論術」岩田靖男他訳、岩波書店 
 「全集1」(新)→「アリストテレス全集1 カテゴリー論 命題論」中畑正志他訳、岩波書店
 「全集2」(新)→「アリストテレス全集2 分析論前書 分析論後書」今井知正他訳、岩波書店
 「全集3」(新)→「アリストテレス全集3 トポス論 ソフィスト的論駁について」山口義久他訳、岩波書店
 「全集7」(新)→「アリストテレス全集7 魂について 自然学小論集」中畑正志他訳、岩波書店

ウィトゲンシュタイン
 「哲学探究」→「哲学探究」岡沢静也訳、岩波書店

ウェーバー
 「職業としての学問」→「職業としての学問」尾高邦雄訳、岩波書店

ヴェブレン
 「有閑階級の理論」→「有閑階級の理論」小原敬士訳、岩波文庫

ウォディントン
 「生命の本質」→「生命の本質」白上謙一他訳、岩波書店

ウルフ
 「世界文学全集15」→「世界文学全集(第二期)15」中橋一夫他訳、河出書房

エピクテトス
 「人生談義(上・下)」→「人生談義(上・下)」鹿野治助、岩波文庫

エラスムス
 「痴愚神礼賛」→「痴愚神礼賛」渡辺一夫他訳、中公クラシックス

オーウェル
 「動物農場」→「動物農場開高健訳、筑摩書房

カント
 「全集4」→「カント全集4 純粋理性批判(上)」有島孝岳訳、岩波書店
 「全集5」→「カント全集5 純粋理性批判(中)」有島孝岳訳、岩波書店
 「全集6」→「カント全集6 純粋理性批判(下) プロレゴーメナ」有島孝岳他訳、岩波書店
 「全集7」→「カント全集7 実践理性批判 人倫の形而上学の基礎づけ」坂部恵他訳、岩波書店
 「全集8」→「カント全集8 判断力批判(上)」牧野英二訳、岩波書店
 「全集9」→「カント全集9 判断力批判(下)」牧野英二訳、岩波書店
 「全集11」→「カント全集11 人倫の形而上学」樽井正義他訳、岩波書店

ゲーテ
 「ファウスト(一・二)」→「ファウスト(一・二)」高橋義孝訳、新潮文庫

シェイクスピア
 「全集 十二夜」→「シェイクスピア全集 十二夜小田島雄志訳、白水Uブックス
 「全集 お気に召すまま」→「シェイクスピア全集 お気に召すまま」小田島雄志訳、白水Uブックス
 「選集8」→「対訳・注解 研究社シェイクスピア選集8 ハムレット」大場建治訳、研究社
 「選集9」→「対訳・注解 研究社シェイクスピア選集9 リア王」大場建治訳、研究社
 「ザ・シェイクスピア」→「ザ・シェイクスピア 完全新版」坪内逍遥訳、第三書館

ジョイス
 「若い芸術家の肖像」→「若い芸術家の肖像」丸谷才一訳、新潮文庫

スピノザ
 「エチカ 上」→「エチカ 上」改版、畠中尚志、岩波文庫

スミス
 「国富論 四」→「国富論 四」杉山忠平訳、岩波文庫

セルバンテス
 「全集3」→「セルバンテス全集3 ドン・キホーテ[後篇]」岡村一訳、水声社

ダーウィン
 「人間の由来 下」→「人間の由来 下」長谷川真理子訳、講談社学術文庫

ダンテ
 「神曲天国篇」→「神曲天国篇」原基晶訳、講談社学術文庫

デカルト
 「著作集2」→「デカルト著作集2」所雄章他訳、白水社
 「著作集4」→「デカルト著作集4」村上勝三他訳、白水社

デューイ
 「経験と教育」→「経験と教育」市村尚久訳、講談社学術文庫

トウェイン
 「ハックルベリー・フィンの冒険 上」→「ハックルベリー・フィンの冒険 上」土屋京子訳、光文社古典新訳文庫

トゥキディデス
 「戦史 上」→「戦史 上」久保正彰訳、岩波文庫

トクヴィル
 「アメリカのデモクラシー 第一巻(上)」→「アメリカのデモクラシー第一巻(上)」松本礼二訳、ワイド版岩波文庫
 「アメリカのデモクラシー 第一巻(下)」→「アメリカのデモクラシー 第一巻(下)」松本礼二訳、ワイド版岩波文庫
 「アメリカのデモクラシー 第二巻(下)」→「アメリカのデモクラシー第二巻(下)」松本礼二訳、ワイド版岩波文庫

ドストエフスキー
 「全集12」→「ドストエーフスキイ全集12 カラマーゾフの兄弟(上)」米川正夫訳、河出書房新社

トルストイ
 「戦争と平和 五」→「戦争と平和 五」藤沼貴訳、岩波文庫

ニーチェ
 「善悪の彼岸」→「善悪の彼岸」木場深定訳、岩波文庫

バークリ
 「人知原理論」→「人知原理論」宮武昭訳、筑摩書房

ハイゼンベルク
 「現代物理学の思想」→「現代物理学の思想」河野伊三郎他訳、みすず書房

パスカル
 「パンセ」→「イデー選書 パンセ」由木康訳、白水社

ヒューム
 「人間知性研究」→「新装版 人間知性研究 付・人間本性論摘要」斎藤繁雄他訳、法政大学出版局

プラトン
 「世界古典文学全集14」→「世界古典文学全集第14巻 プラトン1」→田中美知太郎他訳、筑摩書房
 「全集1」→「プラトン全集1 エウテュプロン ソクラテスの弁明 クリトン パイドン」今林万里子他訳、岩波書店
 「全集2」→「プラトン全集2 クラテュロス テアイテトス」水地宗明他訳、岩波書店
 「全集3」→「プラトン全集3 ソピステス ポリティコス(政治家)」藤沢令夫他訳、岩波書店
 「全集4」→「プラトン全集4 パルメニデス ピレボス」田中美知太郎訳、岩波書店
 「全集5」→「プラトン全集5 饗宴 パイドロス鈴木照雄他訳、岩波書店
 「全集7」→「プラトン全集7 テアゲス カルミデス ラケス リュシス」北嶋美雪他訳、岩波書店
 「全集8」→「プラトン全集8 エウテュデモス プロタゴラス」山本光雄他訳、岩波書店
 「全集11」→「プラトン全集11 クレイトポン 国家」田中美知太郎他訳、岩波書店
 「全集12」→「プラトン全集12 ティマイオス クリティアス」種山恭子他訳、岩波書店
 「全集13」→「プラトン全集13 ミノス 法律」向坂寛他訳、岩波書店

フロイト
 「全集14」→「フロイト全集14 症例『狼男』」新宮一成他訳、岩波書店
 「全集15」→「フロイト全集15 精神分析入門講義」新見宮一成他訳、岩波書店
 「全集18」→「フロイト全集18 自我とエス」本間直樹他訳、岩波書店 
 「全集20」→「フロイト全集20 ある錯覚の未来」高田珠樹他訳、岩波書店
 「全集21」→「フロイト全集21 続・精神分析入門講義」道籏泰三他訳、岩波書店

ヘーゲル
 「法の哲学1・2」→「法の哲学Ⅰ・Ⅱ」藤野渉他訳、中公クラシックス
 「歴史哲学講義 下」→「歴史哲学講義 下」長谷川宏訳、ワイド版岩波文庫

ベーコン
 「学問の進歩」→「学問の進歩」服部英次郎他訳、岩波文庫
 「ノウム・オルガヌム」桂寿一訳、岩波文庫

ボーア
 「原子理論と自然記述」→「原子理論と自然記述」井上健訳、みすず書房

ホッブズ
 「リヴァイアサン1」→「リヴァイアサンⅠ」永井道雄他訳、中公クラシックス

ボルテール
 「カンディード」→「カンディード 他五篇」植田祐次訳、岩波文庫

ミル
 「自由論」→「自由論」塩尻公明他訳、岩波文庫

ミルトン
 「言論・出版の自由」→「言論・出版の自由 アレオパジティカ他一篇」原田純訳、岩波文庫

モリエール
 「全集9」→「モリエール全集 第9巻」秋山伸子他訳、臨川書店

モンテーニュ
 「エセー1~6」→「エセー1~6」宮下志朗訳、白水社

モンテスキュー
 「法の精神 上・中」→「法の精神 上・中」野田良之他訳、岩波書店

ラッセ
 「哲学入門」→「哲学入門」生松敬三訳、角川文庫

ラブレー
 「パンタグリュエル物語」→「第三之書 パンタグリュエル物語」(改版)渡辺一夫訳、岩波文庫

ラボアジエ
 「化学のはじめ」→「化学のはじめ 増補訂正版」田中豊助訳、内田老鶴圃

ルクレティウス
 「物の本質について」→「物の本質について」樋口勝彦訳、岩波文庫

ルソー
 「人間不平等起源論」→「人間不平等起源論」改訳、本田喜代治他訳、岩波文庫

レヴィ=ストロース
 「構造人類学」→「構造人類学」荒川幾男他訳、みすず書房

ロック
 「人間知性論 一~四」→「人間知性論 一~四」大槻春彦訳、岩波文庫

*1:和訳作業を行えなかった理由について一つ一つ挙げることはしないが、単に(図書館にない、ちょうど貸出中だった、などの理由で)和訳本が手に入らなかったり、和訳が存在するかどうか不明だったり、抄訳しかなかったり、ちょうど参照指示されていた箇所が和訳では省略されていたり、といった理由がほとんどである。また、「プラトンは基本全集使ってるのに、なんで一部全集じゃない本使ってるんだよ」、「アリストテレスは旧全集と新全集両方使っているが、どうしてどっちかに統一しないんだよ」、「なんで岩波文庫じゃなくてワイド版岩波文庫使ってるやつがあるんだよ」というような疑問もあるだろうが、「時間的制約のある作業だったので、もろもろの事情からそうするしかなかったのです」と答えるしかない(部誌にも締め切りはある)。