リベラリズムの語り方(講演「リベラリズムとは何か?」メモ)

 先日、「リベラリズムとは何か?」という講演を聞いた。内容を詳細に書くのはダメだと思うので、ごく手短に概要をまとめてみたい。

第13回ワークショップ:「リベラリズムとは何か?:What is Liberalism?」 - 社会科学のメソドロジー

web.iss.u-tokyo.ac.jp

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左派の望む社会は経済成長に支えられている(ベンジャミン・フリードマン『経済成長とモラル』読書メモ)

 ブログ更新も滞っているので、ちょっとした読書メモを。手元に本がなく、個人的にとった読書メモを頼りに書いているので、間違いや引用の誤字などあったらごめんなさい。

 さて今回は、ベンジャミン・フリードマン『経済成長とモラル』東洋経済新報社を紹介する。

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人種特権と多数派特権(ジョセフ・ヒース講演「多数派特権は不正なのか?Is Majority Privilege Unjust?」メモ)

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www.trentu.ca

 先日、カナダの哲学者、ジョセフ・ヒースによるzoomでの講演「多数派特権は不正なのか? Is Majority Privilege Unjust?」*1を聞いた。あいにく筆者は英語をほとんど聞き取れないし、スライドもそれほど充実したものではなかったので、言ってることの半分も理解できなかったが、メモ程度に記録を残しておく(理解が進み次第内容は修正していく予定)。

 なお、以下の記述は想像で補った部分も多く、また筆者は人種問題について全く詳しくないので、不適切な点があればぜひコメントしていただきたい。

*1:Majority privilegeを「マジョリティ特権」とせず「多数派特権」としたのは、「量的に多数であることによる特権」ということを強調するためである。「マジョリティ特権」という言葉を使うと、恐らく「量的に多数」であることとは関係のない様々な特権も指している語と見なされてしまう恐れがあったので、このような表記にした。

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お知らせ

econ101.jp

 主に英米の社会科学者の論説を翻訳・紹介しているサイト経済学101で、ジョセフ・ヒース(カナダの哲学者)のWoke tactics are as important as woke beliefsという記事を翻訳させていただきました。*1

*1:WARE_bluefieldさんに大幅に手直ししていただいたので、翻訳というよりは下訳という感じですが。

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メリトクラシー論の(再)整理

 ネットを開けばメリトクラシーは諸悪の根源であるかのように叩かれているが、そうした批判においてメリトクラシー(あるいはその弊害)と名指されているものが果たして同じものなのかと言われれば、はなはだ怪しいように思われる。誰もがメリトクラシー批判を行い(そうすることで連帯し)ながら、そこで批判されているものの内実が異なっているとしたら、健全な議論は望めないだろう(早晩、エコーチェンバーの範囲を区切る装置として機能するようになるはずだ)。

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10分でわかる日本のメリトクラシー(≒学歴社会)研究史

 誰もが教育や学歴について語りたがるが、教育や学歴の研究が参照されることは少ない。そして参照軸を失った教育語り、学歴語りは、まるっきり同じ論点について堂々巡りを繰り返す。あらゆる領域に当てはまることだが、教育においては特に、とっくの昔に解決した論点や、提唱されていた主張が、ゾンビのように(さも新しいものかのような顔をして)よみがえってしまうことが多い。

 とはいえ、ここで時間も能力も有限な普通の人間に、「最低でも新書3冊読んでから喋れ」とか、「この論文くらい読んどけ」とかと言うのは、ほとんど「黙れ」と言っているのと同じだ(新書ぐらい誰でも楽に読めるだろと思ってるなら、認識を改めるべきだろう)。

 ということで、この記事ではメリトクラシーに関する教育社会学の超有名な(記念碑的)研究を乱暴に要約し、ダイジェスト式に紹介していく。筆者は素人なので、研究の妥当性を判断する(できる)立場にないし、要約の仕方も雑である(というか怖いもの知らずの素人だからこそこういう記事を書いてるのだけど)から、そこらへんは一応了承しておいてほしい。*1

*1:本記事はあくまでメリトクラシー研究史」の概説なので、データを基に日本のメリトクラシーの現状を示すようなものではない。そちらに興味がある読者は、松岡亮二『教育格差』ちくま新書、2019をどうぞ。

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シントピコンの「トピックの見取り図」を和訳してみた(その0/総合目次)

 そもそもシントピコンについて知らないという人はこちらを読んでほしい。 

kozakashiku.hatenablog.com

 

 シントピコンの心臓部は「シントピコン索引」(References)だが、これは102個のアイデア=大項目にぶら下がった各トピック=小項目について、そのトピック=小項目を取り上げたGreat Books収録作品内の箇所を参照指示するものとなっている。

 その各アイデア=大項目ごとにトピック=小項目をまとめたのが「トピックの見取り図」(Outline of Topics)である。

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シントピコンの「トピックの見取り図」を和訳してみた(その10)

 本記事では、アイデア=大項目の91~102までの「トピックの見取り図」の和訳を載せている。

 詳しい説明はこちら。

kozakashiku.hatenablog.com

 

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シントピコンの「トピックの見取り図」を和訳してみた(その9)

 本記事では、アイデア=大項目の81~90までの「トピックの見取り図」の和訳を載せている。

 詳しい説明はこちら。

kozakashiku.hatenablog.com

 

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シントピコンの「トピックの見取り図」を和訳してみた(その8)

 本記事では、アイデア=大項目の71~80までの「トピックの見取り図」の和訳を載せている。

 詳しい説明はこちら。

kozakashiku.hatenablog.com

 

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